Sunday, September 27, 2009

視覚障害の方々と一緒に美術鑑賞ツアーに参加。

9月25日午後6時30分に乃木坂駅に集合。友人で視覚障害のあるGさんとその奥さんと一緒に、視覚障害者と一緒にアートを鑑賞する〈MARの鑑賞ツアー〉に参加しました。
会場は東京にある国立新美術館、展覧会は〈光 松本陽子/野口里佳〉展。作品は絵画と写真で、当然触ることは禁じられており、同行する健常者が語る言葉だけで作品イメージを互いに共有していく。果たして上手くいくのかどうか疑問もあり、とにかくやってみることに。。。
最初、主催者が2人から3人のグループに分けられた。私は友人夫妻とはなれ、ブラインドのKさんとガイドのTさんのグループに入れていただいた。初対面のお二人とご挨拶して、いよいよ会場へ向った。するとそこからすでに鑑賞ツアーは始まっており、ホワイエの大空間の広さや色や光の様子を言葉で説明。そしていよいよ展覧会場へ。
この展覧会は、画家と写真家の二人のアーティストを〈光〉という言葉で関連づけているが、それぞれ画家の松本洋子と写真家の野口里佳の個展が並列されている。なので、会場入口に解説パネルがあり、その奥に二つの個展の入口が開いていた。そこでまず右側の野口里佳展へ向った。
最初に富士登山の写真。例えばある作品では、大きな石がころがるガレ場を一人がリュックサックを背負って登っている。それは白いきりの中でぼんやりと霞んでいる。画面の大きさは高さ1m以上ある長方形で、登る人物は画面の中央やや下に小さく写っており、画面の上半分は白い霧で真っ白、といった説明。
そして、松本陽子作品の場合、これは全くの抽象的絵画。キャンバスに油絵で、サーモンピンクの淡いグラデーションが渦巻く積乱雲を描いたよう。また、大きな滝壺の近くで水しぶきを浴びているような感じ、だとかいろいろと語った。
Kさんの場合は私たちの言葉と、視力を失う前に見た視覚的記憶を加えて作品イメージを構成するとのことでした。また、Kさんに感想を聞くと、やはりたくさんのいろんな種類の言葉で、つまり豊富なボキャブラリーで、語ってもらうとイメージし易いとのこと。もし先天的に盲目の方の場合、視覚的記憶がないのだがやはり頭の中でイメージが構成されるらしいと、Tさんに教えていただいた。

この体験は、言語ゲームであることが強調される。私とガイドのTさんが語る言葉から、ブラインドのKさんは作品のイメージを頭の中で想像する。ここではまず言葉があってイメージの共有が始まる。そして、互いに言葉によってイメージを膨らませる。また、見えている私たちの視覚的経験も豊かに高められていくようだと思った。
ブラインドの人の立場は、ラジオDJの言葉を聴いているリスナーである私が、時に強い臨場感をもってイメージを膨らませているようなことだろうか。しかし、彼がどんなイメージを思考しているか見ることはできない。だが、他者の思考を見ることができないのは障害の有無に関係がなく平等。共有するのはイメージを語る言葉のみであり、それはまさに言語ゲーム。



展覧会場の外で解散前に談笑する参加者たち。初対面でも一度のこと鑑賞体験を共有すると一気に親しくなることができるようだ。
参加者の皆さん、主催のエイブルアートジャパンの皆さん、どうもありがとう。

Saturday, September 26, 2009

帰宅訓練で歩いている人たちに出会った。

9月26日昼前ウォーキングをしていると、白いゼッケンをつけた人たちが新目白通りを徒歩で下って来ました。街歩きのサークルかなと思ったが、それにしては人数が多い。交差点で共に立ち止まったときに、ノボリ旗を持っている方に質問。
それによると彼らは、帰宅困難者対応訓練実行委員会が主催する訓練の参加者だとのこと。その訓練とは、もしも首都震災が発生して交通機関がストップした時、職場から徒歩で帰宅することを事前に体験しておくこと。答えてくれた彼らは、日比谷公園をスタートし、約20km先にある練馬区の光が丘を目指しているとのこと。
私は阪神大震災の罹災経験があるので、当時の神戸の三ノ宮付近の様子を思い出した。あのときと同じようなことがもしも東京で発生したら、道路は平坦でなくなり電線やガラスや様々な落下物をよけながら歩くことになる。きっと日常の何倍も疲労するだろう。アスファルト鋪装がめくれて立ち上がり1mぐらいの壁になって道路を塞いでいた場面を思い出す。
隣人や職場の仲間たちとこういうイベントを通じてより親しくなっておくことはいいことだろう。阪神大震災の直後、それまで顔を合わせることが無かった隣人たちと力を合わせて活動したことがあるが、もしも日ごろから知り合って親しくしていれば、もっと有効な活動ができたように思うから。
それと、このイベントのように東京の街を普段歩かない人たちが歩く機会を作ることはよいことだろう。なぜなら、地下鉄や電車や車で移動していると気づかないことが、歩いていると気づくことがあるから。そしてできれば、日ごろから東京の街が歩きやすくて楽しい街にしたいと思わないだろうか。また災害がなくても、お年寄りやケガをした人たちにとって意外にも歩き易い舗道が少ないことに気づかれたのではないかな。

 
 

自転車を擁護

9月25日、有楽町の日新製鋼ギャラリーで、デビッド・ガースタイン(David Gerstein)を見ました。作品は内容は、人々が街にでて一緒に楽しむこと、例えば、花壇、音楽、散歩、そしてサイクリングなど。個人が自分の世界に引きこもってしまって楽しむというよりは、家族や友人や街のなかで一緒に楽しむことを考えさせられる。


作品の写真は撮影できないので、だいぶ遠くから。。。


満員電車に押しこめられて通勤するより自転車を使って通勤したほうが、安上がりで、環境に優しいエコで、しかも体を動かすからダイエットにもなる。でも、都内だと都市空間が過密で、自転車専用道路を作る余裕は無く、自転車は狭い歩道か危険な車道を走らなくてはならない。また、都内は坂道が多くて、自転車をこぐのがたいへん。
なので、空間にまだ余裕のある地方で、車の少ない道路を自転車で走って、コンパクトに暮らしていくことを空想してしまう。
たぶん将来、日本の街は自転車で暮らしやすい街に作り直す地方都市がもっと増えるかもあるかもしれない。今の日本は東京圏など一部の狭い大都市に人口が集中していますが、それが分散して広々とした地方都市で暮らしたいと考えている人たちは増えているから。また自転車はエコロジカルで持続可能性のある輸送移動手段。さらに、電車やバスに自転車を折り畳んで輪行袋にいれなくても乗せられるようになれば、自転車かなり遠くまでいけるようになるだろう。

その後、有楽町のビックカメラに行くと、自転車の販売コーナーがかなり広い売り場面積をしめていました。電動アシストサイクルに様々なバリエーションが出ていた。電動アシスト付き自転車といえばママチャリのイメージだったが、マウンテンバイクのようなスポーツタイプの自転車にも電動アシストが付いており、これなら山が多くて起伏の激しい妻有のような地域でも、鍛えていない普通の人が自転車を楽しめそうでした。

そんなことを考えて家に戻ると、アメリカのリッジフィールドという街のThe Aldrich Contemporary Art Museumで、自転車をテーマにした〈Bike Rides〉展が、9月26日から始まるとメールが届いていた。

Thursday, September 24, 2009

越後妻有アートトリエンナーレ2009、観音堂さんの写真から

9月11日と12日の妻有トリエンナーレの作品より。
一緒に回った観音堂さんの写真です。観音堂さん、ありがとう。


この作品は、川西のナカゴグリーンパークの山道に展開したインスタレーション。カラフルな風車が両脇の法面に配置されていました。約1kmぐらいの道の両側にこの風車の風景が広がっていました。
このリンクは、当日現地から写メールで投稿した写真。

 
これは、川西の高倉集落のアートユニット力五山の作品。各家の外壁に古い写真から描き起こした絵画が掲示されていました。以前このブログで〈飛行物〉というタイトルで投稿した記事のアドバルーンのプロジェクトの一部。集落の各戸にこのような絵画が掲示され、アドバルーンが一個上げられていた。

 
これは、十日町の茗荷谷の〈福武ハウス2009〉で見た渡辺英司のインスタレーション。天井にピンナップされたのは、無数の蝶。ただし本物ではなく、昆虫図鑑から切り抜かれた写真の蝶。

 
 松代の会沢の山の中にあったアンティエ・グメルスのインスタレーション。駐車場から徒歩で山道を100mぐらい上っていくと、杉林の中への入口があり、そこから徐々にインスタレーションが始まっていた。奥に進むにつれインスタレーションが濃くなっており、最後に写真のような青い目が無数についた円い広場に行きついた。広場にの中央の地面には円い大きな鏡があり、空中からはしごが下りていた。この作品は、エスニックなアクセサリーの中をあるいているようだった。とても人気があるようで、次々と観客が訪れていた。
今回の妻有でスピリチュアルなテーマを持った作品が多いと感じましたが、その代表作の一つだろう。

Wednesday, September 23, 2009

越後妻有アートトリエンナーレ2009、絵本と木の実の美術館

9月12日午前中、私たちは十日町の鉢集落にある田島征三作品〈絵本と木の実の美術館〉を訪れた。当日は朝まで雨で、会場に車でたどりつくと、ようやく雨があがり晴れ間がのぞいてきた。すでに駐車場としてつかわれている旧グラウンドは来場者の車がだいぶ溜まっており、大型の観光バスも到着したばかりのようだった。駐車場や入口の案内をしてくれたのは集落の人々だろう。
この美術館は廃校になった木造校舎の再利用して作られていた。玄関を入ると、写真のようなカラフルなインスタレーションが体育館一杯に広がっていた。写真の流木で作られたオブジェはどれも大きなものだが、小さな工作もあちこちに見ることができた。例えば、この体育館の後、階段を上ることになるのだが、その階段室の吹き抜けの空間には〈木の実〉が無数に付けられた木の枝が私たちを上の階へと導いた。枝に小さな穴があけられそこに木の実の軸を差込んで〈木の実〉は枝に取り付けてあった。
この美術館は、導入部から終わりまで物語を読んでいくように、観客が教室から教室へと移動していくようになっていた。
また、グッズショップとカフェレストランがあった。私たちは残念ながら、カフェレストランは開店前の準備中で食べることはできなかったが、地元の素材を使い素朴なだけではなさそうな魅力的なメニューが用意されていた。
遠くの都会からはるばる見に行く喜びがある演出をこらした美術館だった。今後も様々な工夫が積み重ねられることで魅力を高めていくだろう。

 
photo by 観音堂

Tuesday, September 22, 2009

快適な屋上

9月20日、カメラマンのAさんにアートスペース +ING ATTIC へ連れていってもらいました。場所は代官山の住宅街の中にあります。このスペースは、季刊誌〈+ING〉を発行している会社が運営しています。
1階はオルタナティブスペース、2階がキッチン(パーティーのときは便利と思う)、3階は美容院の鏡台のある図書室。そして、屋上へ登るはしごがありました。
この潜水艦のようなはハッチを抜けると、東京の夜空が広がっていました。



東京の空間はいつもプレッシャーがあるから、この開放感は素晴らしい。デッキテェアの上で柔らかい夜風に身をさらしているとそのまま眠ってしまいそうになりました。

Monday, September 21, 2009

地方にとって特に重要、鳩山総理のクローズな記者会見のニュース

地方で頑張っている人たちやこれから地方で頑張ろうと思っている人たちにとって重要なニュースがネットにでている。しかし先ほど、首都圏郊外に暮らす友人と電話で話したら、彼はこのニュースを知らなかった。
そのネットで話題のニュースとは、鳩山総理の記者会見からフリーランスのジャーナリストやネットニュースメディアなどマイナーメディアの記者たちを閉め出したこと。
政権を取る前には民主党の前小沢党首と鳩山党首(現総理)は、オープンにすることを記者会見で何度も述べていたのに、結局は自民党と同じでオープンにされなかった。その後、岡田外相だけはオープンにすることを発表しました。

さて、その友人はインターネットはほとんど使っておらず、ニュースはテレビと新聞が中心。そして、記者会見をオープンにしなかったことをテレビも新聞も報道していなかったから、私から電話でそれを聴くまで知らなかった。
たぶん、友人のように知らない人たちは結構たくさんいるのではないだろうか。

首都圏のような大都市だと、インターネットを利用していなくても、少し時間がかかるがいずれ書店などで、また口コミでこのニュースを知らないままになる可能性は低い。しかし、地方都市に住む人たちの中にはこのニュースとその問題点を知らないままになってしまう可能性が高い。

何が問題かと考えてみる。
地方で暮らしていくには、それも過疎地であるほど、従来のような仕事と暮らし方が難しくなってきている。それが自民党が先の総選挙で負けた理由でもあろう。
すでに地方に暮らしている人たちの中には、そしてこらから地方で暮らしていこうと思っている人たちも、新しいビジネスと暮らし方と社会のあり方を追求してことになるのだが、そのためには豊富な情報が必要になる。特に、政府や行政が発表する情報は重要となる。なぜなら、自分たちの新しい生き方を判断していくために、分厚い情報が必要だから。
しかし、マスメディアの情報は、どうしても東京を中心とした視点で書かれたものが多かった。その状況は現在も続いていて、地方メディアは東京発のマスメディアのニュースソースを掲載するだけのケースが多い。
一方で、政権を取る前の民主党はオープンな記者会見を開いていて、つまり民主党は自民党に比べて積極的に政策について情報公開を行ってきていた。そこで様々なマイナーなメディアからも多様なニュース情報が配信していた。
私たちは(地方に暮らしていく人たちだけでない)、これからも自分たちの生き方や社会について判断していくので、判断するために情報が公開される必要がある。評価判断するためには、政府行政の情報が少ないのでもっと多くの情報が公開される必要があるのに、最初の鳩山総理の記者会見からディスクロージャー(情報公開)されなかったので問題なのだ。そして、最初から期待を裏切り今後も必要になる様々なレベルのディスクロージャーが行われるのかどうか、どこまでおこなわれるのか、これまでと変わらないのではないかと、危惧されてしまう。

現在ネットでは、このニュースについては、〈記者クラブ〉等のキーワードで検索するとたくさん記事が溢れている。

でもマスコミはこのニュースを報道しそうにないから、地方でネットを使っていない人やネットが繋がり難い地域の人は知りようがないのだろうか?

メッセンジャーの世界大会の選手受け付けに紛れ込んだ。

9月20日夕方、渋谷を友人と歩いていたら、たくさんのロードレーサーと多くの外国人がいるスペースを発見。入口で、何ですか?と尋ねたところ〈CMWC2009〉というサイクルメッセンジャーの世界大会の選手受け付け会場だとのこと。そして、〈Art Rush〉というメッセンジャー用のTシャツ・アートの展示があるという。
早速、会場に潜入。
レースは、9/22日と23日、お台場の船の科学館駅の近くで行われる。詳細はCMWC2009Tokyoのサイトへ。
選手たちは、ヨーロッパやアメリカから大勢来日しているとのことでした。





最後の写真が〈Art Rush〉のTシャツ作品。これらはアートTシャツとして募集された全て1点もの。選手たちはこのなかから気に入ったものを着てレースで走ることで、このArt RushのアートTシャツは完成するそうです。

今あらためて自転車は良いと感じる。最近都内では颯爽とロードレーサーに載っている人をよく見かけるようになった。遊びやスポーツでもあるし、メッセンジャーの彼らのように仕事にもなっている。
そしてなぜか、現在発売中の経済誌〈週間ダイアモンド〉が自転車を特集している。

Saturday, September 19, 2009

渋滞の一般道とガラガラの高速道路、土日の新潟で

9月12日土曜日午後5時ごろ、十日町から新潟市内に、関越自動車で入りました。高速道路は空いていて快適でしたが、新潟中央で一般道に下りてみると渋滞していました。実は、私たちは道を間違い新潟市内をさまよったのですが、一般道はどこも大渋滞でした。
見たかった作品(逢坂達郎作品)は光の作品なので、日も沈み真っ暗になってからたどり着いたのは、ちょうど良かった。その晩は新潟市内で一泊する予定でしたが、都合で東京に戻ることになり、市内のファミレスで休憩した後、夜10時ごろ東京に向けて出発しました。
新潟市内の一般幹線道路はあいかわらず渋滞していて、ようやく高速入口にたどり着いて高速に上がると〈貸し切り状態〉。高速を走っている車はまばらで、下の一般道との混雑の落差は極端でした。

現在日本の土曜日と日曜日、高速道路は普通車が自動料金システム(ETC)を搭載している場合、普通車の通行料は一律1,000円です。その割引制度を利用して私たちは東京から車を使いました。
しかし、新潟に暮らしているほとんどの人たちは、土日でもETCを使わずに一般道を使っている。なので、特に高速道路と平行して伸びる一般道路は渋滞していたのだろうと思いました。

考えてみれば、東京都内だと地下鉄やバスなど交通網が発達していて、自動車はほとんど必要がない。
しかし、新潟のような地方都市になれば自動車がなければほとんど何もできないだろう。通勤や買物などで30kmから50kmぐらい先まで車で移動することは珍しくないのに、高速道路の通行料金はあまりに高すぎる。そして土日1,000円になってもまだ高い。たとえば、土日に高速道路を往復使うと1,000円×2=2,000円。高速道路を走っている時間は1時間ぐらいだろうか。そうすると、時給で2,000円ぐらい稼いでいる人でないと、高いと感じると思う。

もう一点あらためて気づいたことは、関越自動車は出入り口が少ないこと。これから高速道路無料化されたら、5km毎ぐらいに欲しいと思うようになりそうです。

高速道路無料化に関しては、ネットメディアの〈ビデオニュース・ドットコム〉の2009年09月05日放送で、山崎養世氏の話がわかりやすかった。



関越道のサービスエリアで見つけた〈水と土の芸術祭2009〉のチラシ。

12月27日まで開催なので、機会つくって改めて見に行ってみたい。

野方のシャリキンホッピー

9月13日夕方、Kさんが誘ってくれて、野方にあるヤキトン屋さんに行って来ました。
この店は、彼曰く〈東京で一番美味くホッピーを飲ませる店〉ということでしたが、飲んでみて納得。なんと、キンキンに冷えたジョッキに入った焼酎が〈シャーベットのように〉凍っています。そこに自分でホッピーを入れると、一気にシャーベット状の焼酎が溶け出しながら、ホッピーの中に浮かび上がって来ます。飲んでみると、美味い、その名も〈シャリキンホッピー〉でした。



写真は野方駅前の様子。野方は東京の西部にあります。アクセスは、JR高田馬場駅から西武鉄道に乗換、そして約15分ぐらい。観光地ではないですが、活気があって狭くて圧縮されていて歩くには魅力的な下町です。

徒歩や自転車で散歩してお気に入りの気楽な店でお茶を飲んだりお酒を飲んだりできる選択肢が、地方でも増えるようになればと思います。環境のよい地方に住みたいと思いますが、もし本当に地方に住むならお気に入りのものは全て持っていければよいのですが。。。

ホッピーはノンアルコールの代替ビールで、焼酎に混ぜて飲みます。
日本以外の国にもホッピーのような飲物はあるのでしょうか?

Friday, September 18, 2009

越後妻有アートトリエンナーレ2009、雪対策

塩澤宏信作品〈イナゴハビタンボ〉は、地元の集落コミュニティーで〈雪囲い〉をしています。
〈雪囲い〉とは、作品が積雪の圧力により破壊されないための仮設のシェルターです。雪が降り積もる前に集落の人々とアーティストは、〈雪囲い〉を設置します。そして、雪解けの春にまた〈雪囲い〉を取り外します。
なぜなら、毎冬2月頃のこの地域は堆積した雪の高さが2mぐらいになり、作品に大きな圧力がかかるからです。
実は越後妻有アートトリエンナーレでは、この〈イナゴハビタンボ〉の他ほぼ全ての屋外彫刻と民家は〈雪囲い〉が施されます。まつだい駅から見える巨大なカバコフ作品には鉄骨柱の巨大な雪囲いが冬期は設置されます。それら〈雪囲い〉の設置作業は、集落コミュニティーや地元役場職員により行われているものもありますが、規模が大きなものはクレーンなどが必要になるので業者により作業されています。また、作品の計画段階から雪対策の計画も行われている。

また民家の場合、屋根に積もった雪を取り除かないと雪の重みで屋根が陥没してしまいます。近代以後は、屋根に雪が積もらないようにする装置を付けたり、屋根の角度を急傾斜にして雪が滑り落ちるようにしたり、雪の圧力に耐える建築構造にしたり、というタイプが登場しています。しかし、作品の設置が行われた伝統的な民家では、冬期間に屋根に降り積もった雪を取り除く必要があります。
また、近代的な建物でも、一階の窓を積雪の圧力から守るために窓に〈雪囲い〉をします。

観光の拡大のために、棲む人がいなくなった民家をそのまま残しておければよいですが、越後妻有地域では伝統的な空き民家の保存は課題になっています。



〈イナゴハビタンボ〉が設置が決まってから現在にいたる記録を綴った塩澤宏信の魅力的なブログには、〈雪囲い〉のことや、作品サイトの田圃のこと、また地域のようすを読むことができる。
http://inagohabitanbo.cocolog-nifty.com/blog/

Thursday, September 17, 2009

越後妻有アートトリエンナーレ2009、遊具

9月12日。松代の犬伏の松苧蕎麦店の田圃の中にある塩澤宏信作品〈イナゴハビタンボ〉。これは2006年の芸術祭に鉄骨の骨組みに陶器で制作された。そしてこれは、滑り台の機能があり、イナゴの背中を大人も滑り降りることができる。

 
 実際に、大人たちも滑り降りていました。

屋外彫刻やパブリックアートの歴史で、遊具としての機能がある作品は多い。イサムノグチも作っていました。
仮に頭の中で、塩澤作品の代わりにノグチ作品を置き換えてみる。そうすると、この場所がまったく違う意味になってしまうことがわかる。逆に、都市の公園の中にこの塩澤作品があることを想像してみても、意味が異なってしまう。
この作品は、site-specific 特定の場所のために作られた作品の典型の一つ。

Wednesday, September 16, 2009

2009アジア・パラアートTOKYO展に行ってみた

友人から情報をもらい行って来ました。
9月16日、池袋の西武百貨店の中にある西武ギャラリー。この〈2009アジア・パラアートTOKYO〉展は、アジアの障害のあるアーティストたちの展覧会で総作品数は178点、全て絵画でした。そのうち58点がアジア16カ国から選ばれた作品で、120点は日本内で選ばれた作品でした。
特別協力として、ロゴマークや印刷物のデザインやワークショップの運営などに、女子美術大学の学生たちが協力していました。

会場内は撮影できなかったので、サインを撮影。
やはり、文化の異なる外国のアーティストの作品に興味を持ちました。例えば、インドのアーティストMuthukrishnon Rammalingamの〈Swiming Pool 2007〉でした。スイミングプールにいる人物たちが描かれているのですが、自由な画面と色彩の構成ながら絶妙なバランス感覚があって、個人的に気に入りました。
作品の写真は、2009アジア・パラアートTOKYOのウェブサイトで見ることができる。

東京の小さなお祭り

9月、東京ではたくさんの小さな祭が、観光のためでなく、市民のためにあります。
写真は、9月13日の昼頃、早稲田の水稲荷神社の参道で撮影したものです。夕方から、子供たちとその家族で賑わいます。
東京のように極端に人口が集中した都市では、人口密度が高いにも関わらず、他者との関係が少なくパブリックな活動が弱い。しかし、最近はそのような問題に対してゆるやかに活動が活発化してきている。
例えば、このような伝統的な神社の行事に参加することで、子供のいる家族は、学校のコミュニティーに分厚さを加えていくことができる。

 

Tuesday, September 15, 2009

越後妻有アートトリエンナーレ2009、飛行物

空に大きな円い風船を浮かべたインスタレーションは、川西の高倉集落のアートユニット力五山の作品。この集落の家に1個づつこの風船が結びつけある。アドバルーンは広告を表示するためのものだが、ここの風船は家の住人の年齢を色で表示し、この高齢化した集落が限界に達しつつあることを表示する。

 
 

青空の中に揺れる大きな風船は、明るい未来を連想させる。しかし空は大きすぎて、これら風船はまだまだ小さすぎて頼りなくみえた、詩的な作品。

越後妻有アートトリエンナーレ2009、演劇的空間演出

松之山の旧東川小学校がクリスチャン・ボルタンスキーとジャン・カルマンの作品「最後の教室」になっていた。彼らのインスタレーションは、小学校建物の内部全体を使っていた。パスケットボールコートの広さのある体育館、そして三階建て校舎の全て。校舎の外観は取り立てて特徴があるわけではない鉄筋コンクリートの近代的様式の建築。
まず体育館の中に入ると、暗闇の空間が広がっている、無数のボルタンスキー的な弱いオレンジ色に灯った電球がにぶら下がり、床は馬小屋の床のように稲藁が敷き詰められ、藁の臭いが立ちこめている。

体育館をから出て右に曲がると暗闇の長い廊下がある。この廊下にも電球が整然と下げられており、廊下の突き当たりには強い光源の回転灯があり、その先から大きな音が繰り替えし鳴り響いていた。

この廊下の突き当たりに行くと音は爆音になり、更に上に階段を登っていく。。。

ボルタンスキーとカルマンのこのインスタレーションは、演劇的な空間演出に満ちていると思った。一般劇場では、観客は座席にいて劇場が真っ暗に暗転する度に、目の前に舞台に新しい場面が展開する。暗闇とスポットライトによって、劇場の空間は場面が移り変わるシークエンスをつくり出す。そして、幻惑的な照明によって臨場感を増幅する。
この演劇的なインスタレーションは、観客が空間の内部を彼ら自身の足で歩いて進むにつれ、場面の次に次に展開するシークエンスをつくり出していく。
暗闇は、人が目を閉じ思考し空想するようで、観客を強い変成意識へと導入していた。

今年の妻有では、他にも同様の演劇的空間演出を古い建物の内部や夜間の集落の中で展開している作品がいくつかあったことが特徴だったと思う。

ボルタンスキーとカルマンのインスタレーションから出て来ると、地元の老父が受け付けをしており、親しく満面の笑みで話してくれた。この作品が2003年から常設されることになったので、芸術祭の期間中もかつてないほど多くの人々が訪れるようになったこと、そして芸術祭がない冬の季節でも鑑賞ツアーが組まれ大雪の中この古い小学校まで人々はやって来てくれるようになった。

Monday, September 14, 2009

越後妻有アートトリエンナーレ2009、音響、ロルフ・ユリウス作品

この作品は、環境音楽であり音響的でした。川西の大白倉集落にありました。まず小さな納屋の中に入って見ると中は真っ暗で、小さな電球一個が灯され、吊るされたスピーカーから小さな音が流れており瞑想的な雰囲気。そして、この納屋を出てその裏にある竹やぶの方へ向うと周囲(左手下がったところある小さな田圃と右手と正面にある竹やぶ)から音楽が聞こえて来る。上り坂の小径を進んでいくと右の竹やぶの中には石の祠があり、竹やぶの中に一脚の椅子がある。それに座わると体の周り回るように音響が仕込んであり、またその音楽と周囲の昆虫の鳴き声や風の音がミックスして聞こえてくる。


この作品はとても繊細なもので、またよく計算されていると思いました。写真中央に椅子が置いてあり、屋外での視覚的な操作はそれだけしかなかった。

越後妻有アートトリエンナーレ2009、写真

この作品は川西の岩瀬集落に設置されていた西尾美也作品。タイトルは〈家族の制服〉。巨大な写真スクリーンが田圃の畦に設置されており、スクリーンの左下に小さな写真が設置されている。その小さな写真はこの集落の昔の家族写真で、大きなスクリーンの写真はその昔の家族写真を現代で再現されている。つまり、撮影場所、人物の配置、衣装が再現されている。


観客は集落の中に至る農道を歩いて行くと、巨大な写真を雑木林と農家に囲まれた田圃のある風景のなかに発見する。ここの環境の中で制作され展示されたことで、作品は環境の一部にとけ込んでいるように見える。

越後妻有アートトリエンナーレ2009、屋外彫刻

川西のナカゴグリーンパークに、2000年の大地の芸術祭で設置された柳健司作品。山頂に4つの見晴し台があり、それらの中央に東京やパリまでの大都市や木星など惑星までの距離が彫られたプレートが埋め込まれていた。
妻有の自然の中に設置された屋外彫刻作品のなかでは成功していると思った。


環境のスケールに対して適当なオブジェのスケールで制作し設置することは、都市内で行うよりも自然の中で行うことの方が注意すべきことが多い。また作品の内容に見合った表現を行うことも難しい場合があるようだ。白いギャラリー空間の中でオブジェは自律して見えるが、自然環境の中の作品は環境と作品の相互関係によって観客は意味を読み取らざる得ない。近代的に整備された公園の中で緑の芝生の上に配置することで、オブジェは白いギャラリーの空間にあるように見せるという約束事がある。
しかし、妻有のような生きた自然の中では、観客は感覚により身体的にまず環境を受けとめているので、作品オブジェの文脈として環境をとらえる。または、観客は作品の意味を自分たちを取り囲む自然環境や社会から読み取ろうする。そのために越後妻有では白いギャラリーの中で展開されてきたことの多くはあまりここでは関係がないように思われる。
しかしまた、ほとんどの観客は環境についての認識を言葉で行っているので、自然環境や社会についての言葉をたよりに作品を評価していると言えると思う。

Sunday, September 13, 2009

越後妻有アートトリエンナーレ2009、剣持和夫作品

9月11日、川西エリアを回りました。このタイトルは、白倉庭園。無数の写真が植物のように休耕田の建ててあります。妻有の自然のスケールに負けないためには、これぐらいは少なくともボリュームが必要だなと改めて実感されました。

  
 
このフラットステージが、この作品をジップする必要な要素でした。
サイトは周囲に民家が見えない山のなかにありましたが、ここにいたる道から見える眺望はすばらしかった。

Saturday, September 12, 2009

水と土の芸術祭に来ました。

雨です。これは信濃川に浮かぶ逢坂卓郎作品です。船の上のLEDパネルが光る。

鑑賞シャトルバス

松代から松之山の作品を周る。

十日町の集落

作品のロケーションがいいです。水盤に賽銭が入っています?

9/12朝 十日町は雨

私たちはテントでキャンプしました。気持ち良く熟睡。

Friday, September 11, 2009

農舞台のレストランで

これから遅い昼食です。ここは満席で順番まち、約15でテーブルに案内されました。

川西のナカゴグリーンパークに来ました

山道の法面に風車。よくやったね!凄いな!

信濃川の川原に来ました。

水量が多いのでしょうか?
真黒な翅でみどり色にかがやく細い胴をした蜻蛉がたくさんいました。

妻有 十日町に到着。

東京から車で約4時間、高速料金は練馬-塩沢石打で2400円でした。
現在午前6時前
写真は作品で、駐車場とトイレです。

Thursday, September 10, 2009

PWR LIVE!が妻有トリエンナーレを取材放送

J-waveのDJ・モーリー・ロバートソンが大地の芸術祭を動画や音声で取材し、PWR LIVE!という彼のネットメディアで放送している。放送された動画や音声は、アーカイブされいるので後から訊くことができる。
今日の放送では北海道の帯広から、日本の地方が疲弊している問題や、日本が外国から隔絶されて小さい世界にいるような幻想を大衆が抱いてきたことに疑問を述べていて、共感できて面白かった。

http://pwrlive.com/

今日から、大地の芸術祭へ出発。

9月10日から、新潟県の十日町市と津南町で開催中の「大地の芸術祭・越後妻有アートトリエンナーレ2009」と、新潟市で開催中の「水と土の芸術祭2009」へ行ってきます。
東京からの我々のアクセスは、ETCを付けた車で深夜割引(高速道路通行料金が半額)を利用し、関越自動車道で向かう。

高速道路無料化が早く実施されていれば良かっが、今回は残念ながら間に合いません。
地方にとって高速道路が無料化されることは地方の活性化のために有効だろう。なぜなら、高速道路の料金選定は一般的に1kmあたり25円なので、高速道路を100km走れば2500円となるが、東京よりも労働時給単価が低い地方で働く人々にとって高速を気軽に使うわけにいかず、高速と平行する道路を走る自動車の通行量が多くなるという矛盾した現象があるが、それが無料化されれば一般道の渋滞は緩和され地方を活性化する基盤になるだろうから。
これから向う新潟の二つの芸術祭も、高速道路が無料化されていれば、今後さらに来客数の増加を期待することができるだろう。 全国の同様の地方地域にとっても、観光だけでなく、流通や通勤などの基盤となるだろう。

写真は、9月8日に大地の芸術祭のパスポートを購入するために行った東京・代官山のトリエンナーレセンター。
大地の芸術祭のパスポートの価格は、大人3,500円。
水と土の芸術祭のパスポートは現地で購入時にこの大地の芸術祭パスを見せれば、2500円が2000円になるそうだ。

Wednesday, September 09, 2009

大庭明子展、大田区のGallery OII

9月8日、大庭明子/蔵子樂舎展を見に大田区のギャラリー・オーツー(Gallery O)へ行きました。
展示されている大庭さんの作品は、明るい色づかいで親しみやすいフレンドリーな版画、絵本、オブジェ、バッジ。
版画は大きな作品もあり、シルクスクリーンに見えますが、全て木版です。

外から撮影。

東京の画廊といえば、やはり〈銀座〉というステレオタイプがあるとおもいますが、このギャラリーのように少し東京の中心からはずれて活動することで、ギャラリーが街の雰囲気に良い影響をあたえている例だと感じました。このギャラリーも、街の雰囲気づくりに貢献している。

詳細は、上記のリンクへ。

Tuesday, September 08, 2009

第1回所沢ビエンナーレ美術展〈引込線〉に行って見た

9月6日、会場は西武鉄道の旧車両工場。駅から遠いのか思ったが、行ってみたら駅前の西武百貨店の裏にあり駅そばだった。会場は広大な工場内にあり、展示会場の建物の中は広くて天井が高く、大作が余裕をもって展示されていた。
こういう魅力的な場所が常時、芸術文化活動に使われていたら良いと思いました。例えば、ギャラリー、ミュージアム、アトリエやスタジオ、シアター、カフェなど。
この展覧会のデータはこちらの公式(第1回所沢ビエンナーレ美術展〈引込線〉)をどうぞご覧ください。
展示の他に、シンポジウム、パフォーマンスやワークショップも開催されるようだ。

このビエンナーレには次の特徴があるとチラシに記されていました。
・作家主導であること。
・展覧会テーマを設けないこと。
・作品の形体、形式、思想を限定しないこと。
・美術家のみならず、執筆者も同じ地平の表現者として参加願うこと。
・次世代が育つ現場であること。

4番目の〈執筆者も同じ地平〜〉の件は、この展覧会に約28人の批評家・学者・学芸員などの人々が執筆者として参加していることを指している。展覧会場では、執筆者たちのテキストは読むことができなかったが、今後出版される記録集にテキストが掲載されるようだ。

会場の正門。ここまで駅から徒歩約5分でした。

第1会場に展示されていた石原友明作品。金箔の木製ボードに点字で何か書いてあるが、残念がながら読むことはできない。


中央が窪田美樹作品。本物の自動車を芯にして紙でつくられた作品。第2会場。

伊藤誠作品。鏡を顔の目の直ぐ下に取り付けて視覚体験する装置。第2会場。

第3会場の様子。

増山士郎作品。アーティスト本人は夜勤の肉体労働のアルバイトをしており、このブース奥の窓の部屋で睡眠をとっていた。観客が見ている紙はアルバイト応募時の履歴書など。手前に作業着や軍手が干してあり、壁にヘルメットが架けてあった。第3会場。

第3会場を奥から見た様子。

いい感じの空間。

左の倉庫も今は使われていないようだった。

会場入口で、9月 現代アートの旅マップ 創発2009というチラシをもらった。
このチラシには、埼玉県で9月に開催が予定される美術展会場がマッピングされた地図が掲載されていた。
このチラシは、さいたま美術展〈創発〉プロジェクト を実施しているNPO法人コンテンポラリーアートジャパンという団体が発行。ウェブサイトを見ると、県内美術展のアートレビューがテキストで連載されており、この所沢ビエンナーレについてのテキストもありました。