9月12日午前中、私たちは十日町の鉢集落にある田島征三作品〈絵本と木の実の美術館〉を訪れた。当日は朝まで雨で、会場に車でたどりつくと、ようやく雨があがり晴れ間がのぞいてきた。すでに駐車場としてつかわれている旧グラウンドは来場者の車がだいぶ溜まっており、大型の観光バスも到着したばかりのようだった。駐車場や入口の案内をしてくれたのは集落の人々だろう。
この美術館は廃校になった木造校舎の再利用して作られていた。玄関を入ると、写真のようなカラフルなインスタレーションが体育館一杯に広がっていた。写真の流木で作られたオブジェはどれも大きなものだが、小さな工作もあちこちに見ることができた。例えば、この体育館の後、階段を上ることになるのだが、その階段室の吹き抜けの空間には〈木の実〉が無数に付けられた木の枝が私たちを上の階へと導いた。枝に小さな穴があけられそこに木の実の軸を差込んで〈木の実〉は枝に取り付けてあった。
この美術館は、導入部から終わりまで物語を読んでいくように、観客が教室から教室へと移動していくようになっていた。
また、グッズショップとカフェレストランがあった。私たちは残念ながら、カフェレストランは開店前の準備中で食べることはできなかったが、地元の素材を使い素朴なだけではなさそうな魅力的なメニューが用意されていた。
遠くの都会からはるばる見に行く喜びがある演出をこらした美術館だった。今後も様々な工夫が積み重ねられることで魅力を高めていくだろう。
photo by 観音堂
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