川西のナカゴグリーンパークに、2000年の大地の芸術祭で設置された柳健司作品。山頂に4つの見晴し台があり、それらの中央に東京やパリまでの大都市や木星など惑星までの距離が彫られたプレートが埋め込まれていた。
妻有の自然の中に設置された屋外彫刻作品のなかでは成功していると思った。
環境のスケールに対して適当なオブジェのスケールで制作し設置することは、都市内で行うよりも自然の中で行うことの方が注意すべきことが多い。また作品の内容に見合った表現を行うことも難しい場合があるようだ。白いギャラリー空間の中でオブジェは自律して見えるが、自然環境の中の作品は環境と作品の相互関係によって観客は意味を読み取らざる得ない。近代的に整備された公園の中で緑の芝生の上に配置することで、オブジェは白いギャラリーの空間にあるように見せるという約束事がある。
しかし、妻有のような生きた自然の中では、観客は感覚により身体的にまず環境を受けとめているので、作品オブジェの文脈として環境をとらえる。または、観客は作品の意味を自分たちを取り囲む自然環境や社会から読み取ろうする。そのために越後妻有では白いギャラリーの中で展開されてきたことの多くはあまりここでは関係がないように思われる。
しかしまた、ほとんどの観客は環境についての認識を言葉で行っているので、自然環境や社会についての言葉をたよりに作品を評価していると言えると思う。
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